« December 2010 | Main | March 2011 »

ボスと部下の関係の変化(アメリカでの)

むしろアメリカ人ははっきり物を言わないという記事を見かけることが増えてきている。前回書いたように一部は民族的気質なんだけど、どうもそれだけでは無いように思える。

次がはっきり物を言わないという記事の例。

英米人は日本人より本音を言わない(日経BP)

 会社で働いている人ならば、上司が部下を呼んで仕事の評価をする機会が年に1〜2回あります。そんなとき英米人の上司は良いことしか言いません。「がんばってるね。私だけでなく周りのみなが評価しているよ」といった具合です。

 ただ、途中でちょっとだけ本音を出します。営業成績が低迷している人には、「今年の営業成績だけど、もう少しいけたはずだよね」と軽く言います。そして、その後にすぐ、「これがあなたの本来の力でないことは知っている。景気が悪かったのが最大の要因だよ」とフォローを忘れません。

 このように言われたらアメリカ人の部下は「上司からまずまずの評価を受けた」とは受け止めません。本音を見せない風土に慣れている人たちは「相当厳しいことを言われた」と思うはずです。

ほかにも:

http://blogs.itmedia.co.jp/mm21/2011/01/good-910e.html
どんなに悪くても"Good"と言う米国文化。実は京都人気質に近いかも?

で、この手の記事で出てくる慎重に包んだはっきりしない物言いの例の多くが上司から部下への例であることに気がついた。反対に部下が上司の機嫌を損ねないようにいかに気を使うかと言う話は、数年前までは稀に見たのだけど最近はあまりみかけない[1]。

さらに、たとえば
The Wisdom of Crowds - JPの米国の職場の記述や
ニートの海外就職日記の人の記述なんかも部下に気を使っている様子を感じさせる。(後者はシンガポールだけど英米圏の影響が強そうだし)

で、これらを見て思ったんだけど、つまり雇用の流動化の結果として、部下は平均値かそれを上回る程度に有能であればいやならいつでも会社なんか辞められるので、上司は部下が逃げないように注意をしなければならないことになっているのでは。
あと、もう一つはドラッカーが言っているとおり、パワーバランスが知識労働者の方に片寄ってきていてこれを大切にせざるを得ないと。

結果としてアメリカとかでは、ボス(中間のラインマネージャ)の仕事が、命令することではなく、部下に気持ちよく仕事をしてもらうためにお世話する係みたいになって来ているのではないかと推定する。

[1] あるていどは当たり前だから出てこないのかもしれないけど。そうだとしても、相互に気を使わなくてはいけないわけで、ボスが部下を怒鳴り付けたりが不思議に思われない日本企業とはだいぶ違う。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

アメリカ人はそんなに脳天気でもないらしい

まずはaskerとguesserについてのこの記事

言ってみる人と空気を読む人(経済学101)

世の中には、とりあえず聞いてみる人(Asker)と空気を読む人(Guesser)がいるという話。日本人には馴染み深い話題だ。

...

どちらかにくっきり別れるわけではなく、日本に比べると英米はとりあえず聞いてみる風潮が強いが、ロシア人に比べればまだまだということ。何か東欧系の知り合いの顔がぱっと浮かんだのも気のせいではあるまい。

というわけでアメリカ人というのは、日本人ほどではないかもしれないけど、世界の中ではどっちかと言うと空気を読む人たちのようだ。一方、私もロシア人のともだちがいたけど、確かに話していると本当に楽ちんで好き。なんも気を使わなくていいから。

この傾向はアメリカの元になったイギリスではより甚だしいようだ:


空気を読むイギリス人
(脳と意識の最先端を目指そう)


イギリスでの研究環境について


 ロンドンで生活してみると、イギリス人の感覚は、思ったより日本人に近いように感じます。日本人の欧米のイメージの源泉であるアメリカ人像とは違って、イギリス人たちに表面的な陽気さはなく、概して控えめで内気です。普段の会話でも、お互いの考えている事を慮り、相手が思うところを汲み取ってくれることを期待して話しますので、昔の日本に住んでいるようにさえ感じます。

おそらくこういう空気読みまくりなイギリス文化がもとにあってそれが社会の流動化と広域化、移民の流入なんかを経て少しずつlow context文化になっていったんだろうね。アメリカは。

しかし、70年代80年代くらいまではなんとかの一つ覚えみたいに、よく「アメリカ人はyes/noをはっきりいう」とか言われていたのはなんだったんだろうか。

| | Comments (3) | TrackBack (0)

« December 2010 | Main | March 2011 »