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楕円θ関数の関数等式の証明

楕円θ(テータ)関数
  θ(v,τ) = Σnexp( iπn2τ+ 2πi n v)
に対しては関数等式
  θ(v,τ) = eπi/4τ-1/2 exp(-πi v2/τ) θ(v/τ, -1/τ)    (1)
が成り立つ。この変換はJacobiの虚数変換とも言う。(また正確にはこれは4つある楕円θ関数のうちの一つθ3。)これの証明について。一つはFourier変換を使う方法(The Zeta Function, PS, D. Bump)であるが、ここでは伝熱方程式による方法でやってみる。

τ→0 において(1)式の左辺→Σn=-∞ exp(2πi n v) = Σi=-∞ δ(x-i) である。一方右辺はτ→0 において = Σneπi/4τ-1/2 exp(-iπ (n-v)2/τ) → Σn=-∞ δ(x-n)である。次に一般のτに対してθ(v,τ)は伝熱方程式
  {∂/∂τ + i/4π(∂/∂v)2} θ(v,τ) = 0
を満たす。また(1)式の右辺も同じ伝熱方程式を満たすことが容易に確かめられる。τ=0における初期値と方程式が等しいので任意のτについて件の等式は成り立つ。

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論文の捨て方

置き場所にも困ってきたので少し前に論文を少し捨てた。失敗からポイントを学んだ。

つまらない論文をすてるのではなく、時間を掛けてない論文を捨てるべきだ。

特に今まで知らなかったトピックに初めて取り組んだ時に多いのだが、最初のころ一生懸命読んだ論文の中にはしょうもないクズもかなり混じっている。しかしこれをクズだから捨ててはいけない。
「バカだな、XXなんだから」とか思った理由のXXの方が思い出したい時があったりして、捨ててから「しまった」と思ったりする。つまり論文を保存することは読んだ間の思考を保存することなのだ。
忘れていても、紙の汚れ具合、書き込み、ホチキスのゆるみ具合などがどれくらい時間を掛けたかの手がかりになったりする。読み返せば思い出すことも多い。

また、ちょっと離れた図書館へ行ってコピーしてきたとかの入手に手間を掛けた論文も捨てない方がいい。
一方、有名な論文であっても「あとで読もう」とか思ってプリントアウトしただけのような論文は捨ててもなんの差しつかえもない。

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lattice dualityとθ関数

格子場の理論とういのは大体は分配関数
  Z = Σ{φ} exp(-β S[φ])
を計算するという事だ。φはZnなどの一般の可換群の要素ならいい。

普通の格子場のdualityの導出はこんな感じだ。簡単のために S[φ] がkinetic termしか含まないときについて書く。
  Z = Σ{φ}exp(-βΣi(∇φ)i2)
ここで∇はcoboundary。これに対して新しくFを導入して
  Z = Σ{φ,F}exp( -i (∇φ) F -β*S**, F) )
とできる。要するにフーリエ変換したって事だけど。一般にβが大きければβ*は小さく、β*が大きければβは小さい。つまりここでstrong coupling理論はweakになっている。でφの方の和を取れば、
  Z = Σ{ΔF=0} exp(-β*S**, F) )
で、ここでΔはboundary。で、ΔF = 0という条件があるから、F = Δφ*と書くことができる。電磁気でrot E = 0だからE = div A0と書けたのと同じような事である。
  Z = Σ{φ*} exp( -β*S**, Δφ*) )
で単純なweak couplingの場の理論になる。あとはお好みで場をdual latticeにのせ直せば、Δφ*は∇φ*に直せてほとんど元と同じ形の理論になる。

で、Rieman zeta関数の関数等式
  ζ(z) Γ(z/2) = π(z-1/2)ζ(1-z) Γ((1-z)/2)
はzeta関数のもっとも基本的な性質だけど、これは前に書いたθ級数
  θ(u,A) = Σx exp(-πu xTA x)
に成り立つ関係式:
  θ(u, A) = (um/2(det A)1/2)-1θ(u-1, A-1)
から直接に導き出すことができる。ここでAは正定値な行列。m次元ベクトルxの要素はどれも全ての整数を走る。本当は"θ"はTeXで言う¥varthetaである。(これの導出はFourier変換を利用。)

格子場の理論にこのθ級数についての関係式を適用するとそれがlatticeのdualityだと思っていた。しかし、どうもそれは違うみたいだ。strong weak dualityにはなっているけど、分配関数Zにそのままこの公式を適用すると、A-1のせいでS*が non-localになってしまう。

しかし、もうひとつ一つ気になるのは、岩波数学辞典(2次形式 L, p906,3版)にある、
  F((az+b)/(cz+d), Q) = ε(d) (cz+d)k F(z, Q)
という変換公式だ。こっちはnon-localityの問題が無さそうに見える。(ここでF(z, Q) = Σx1,...,xm exp(2πi Q(x1, ..., xm) z)、
Σは全ての整数を動き、Q(x1, ... , xm) は有理整係数の正の定符号 m 変数形式。)

しかしε(d)は何かとか分からないところがいろいろあるけど、数学ってどっから調べたら良いか分かりません。

(8月15日、ちょっと修正。)

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