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two-loop以上のゼータ関数正則化

ゼータ関数正則化はいきなり有限の値が出てくるし、まがった時空のような他の正則化では計算しづらい状況でも使える便利な正則化法だ。しかしこれは 1ループgraphに対してしか適用できなかった。で、ここでは、これをなんとか2ループ以上に拡張してみようと思う。

まず、作用を S[φ] として1ループの有効作用は

  Γ1-loop[φ] = log det G2[φ]

  G2[φ] = δφ(x)δφ(y)S[φ]

として求められる。ここで G2は二つの空間座標x,yについての関数であり、 det はこのx,yについての判別式である。また以下 δ/δφ(x) の略記としてδφ(x)を使う。

ゼータ関数正則化とはこのlog detをtr ζ'(0) に置き換える事であった。

さて、このゼータ関数正則化を2-loop以上に拡張するにはどうしたら良いか。ここでのアイデアは要するに、第二式の S[φ] をフルの有効作用 Γ[φ] で置き換えることで、任意のループを含むグラフを再現できるだろうと言う事である。するとそれを使って再び Γ[φ]が計算できる。1-loop, 2-loop, 3-loop, ...とイテレーションをすることができる。self consistentな方程式として解く事もできるかもしれない。

しかし、これには一つ問題がある。ここでλφ4理論の2-loopの例として「Φ」みたいな形をしたグラフを考えるとその統計ファクターは 1/3! でなくてはならない。しかし上記の計算方法を行うとその統計ファクターは 1/2! となる。以下の方法でこの違いは補正できる。

まず、有効作用の世界から分配関数のZ[J]とW[J] = log Z[J]の世界に移る。この二つの記述は等価である。

  Γ[φ] = W[J] - ∫d4x J(x) φ(x)

  φ(x) = δJ(x)W[J]

さて、

  S[φ] = ∫d4x {2-1φ(∂2+m2) φ + λφ4/4! }

  Z[J,β] = exp JΔJ exp βδJ2δJ exp λ∫d4x (ΔJ(x))4

普通のZはこれのβ=1である。この式をβで微分して

  ∂βZ[J,β] = exp JΔJ ×δJ2δJ exp βδJ2δJexp λ∫d4x (ΔJ(x))4

次に Z[J,β] ≡ exp JΔJ exp W'[J,β] としてW'を定義する。すると、

  ∂βW'[J,β] = (δJW')∂2JW') + δJ2δJW'

  δJ2δJW' = tr∂2G2 - tr∂2Δ = limα→0αtr log(G2-1-α∂2) - tr∂2Δ

となる。この2本の式が第一式の代わりになる。ここで

  G2(y-x) = δJ(y)δJ(x)W' + Δ(y-x)

これが第二式の代わりである。代わりにこれらの式を使うことで正しいファクターが与えられる。摂動論の時は iteration をすればよい。このようにして two-loop 以上にもゼータ関数正則化を行う手続き的な方法が定義できた。ただし、これは一つの定義に過ぎなくてこれが唯一の意味を持つかは今後検討の要がある。


ここでΔはプロパゲータΔ(x) = ∂x-2であり、
ΔJ(x) は ∫d4x' Δ(x'-x) J(x') の略記であり、
JΔJは∫d4x J(x) (ΔJ(x)) の、
δJ2δJは∫d4x δJ(x)x2δJ(x)の略記である。

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リーマンゼータ関数の関数等式の証明について

"The Zeta Function" (lecture notes) (PS, D. Bump)

これはゼータ関数をJacobiのテータ関数と結び付ける方法による証明。自由場の理論はΣ_φ e^{-φ^2} みたいな物なのでこちらの証明法の方が場の理論と関係付けられてより本質的だと思う。Riemanの証明法もこっちの方。

代数学基礎講義 B 第 I 部 関数の解析的性質 (PDF,
都築 暢夫)

こっちは別の証明法。数学的に丁寧。

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